ヒューレット・パッカードが、パソコン事業を分離するという話が、ここ数日で出まわっています。
PC事業の分離はすぐにではない
8月19日日経夕刊の1面より、HPのレオ・アポテカーCEOが語ったところによると、
パソコン市場は大きく変わっており、柔軟性が高い事業形態が必要
とのことです。
PC事業を分社化するのか、他の企業へ譲渡してしまうのかは、今後12ヶ月から18ヶ月の間に結論を出す模様。今すぐにどうこうするわけではないとのことです。
ハードウェアからソフトウェアへの転換か?
ここで気になるのが、なぜPC事業を切り離すのかということですが、筋が通ってそうな記事が以下。
- HPがタブレット、ケータイ、PC事業から撤退へ【湯川】 : TechWave
- 「PC時代はすでにたそがれ」- IBM技術担当幹部が見据える「次の中心分野」とは – WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)
1つは、ハードウェアよりも、大企業向けのサービスの1つとして、データ解析を行う企業の買収が計画されていることです。
パソコン自体も、価格がどんどん下がっており、売上高の増加も見込めない、じゃあ次はソフトウェア方面へ方針転換しようということでしょうか。
それを補完しているだろう記事が、2番目の記事です。リンク先はIBMのことについてですが、HPに先駆けてPC事業を売却したIBMということで、HPも同じような未来を見たのではないのかなと。少し引用しますと、
PCに代わるイノベーションの中心となる分野については、「デバイスではなく、デバイス間をつなぐソーシャルスペース」
ただ、ソーシャルスペースを使うためには、デバイスが必要であり、そのデバイスの中心がPCになるのか、タブレットやスマートフォンになるのか、はたまた全く新しいデバイスになるのかは、全然未知です。加えて、HPはPCシェア世界No.1なので、事業を売ってしまった場合、顧客も流出してしまいますから。
ここまで考えてCEOの言葉を見返してみると、合点が行くのではと思います。要は、「クラウドとかソーシャルスペースの分野に今後舵を切りたいけど、メインデバイスが何になるのかわからないし、もしPCになるのであれば、PC事業を安易に売ったり分社化したりはできないので、少し情勢を見極めて答えを出す」ってことですね。